ちゅらしっくわーるど

ことりの話し・日々の気づきを宙ららの世界観で綴ります

カラスの勝手

【ただの物語】
《ちゅらしっくわーるど》〜宙ららの世界観の物語りです

《カラスの勝手》
実は、この話しは実話です。この間、一羽の黒く艶やかで小綺麗なカラスが目にとまりました。そのカラスは駅から一直線にのびた歩行者専用道路沿いに並ぶ商店や民家の屋根や塀などの高い所を、リズムよく悪戯気にピョンピョンと器用に跳ね歩いていました。たまたま進む方向が同じだったので何をしているのだろう?と、何となくそのカラスの様子をうかがっていました。

わたしが道々その様子をチラチラと気にしていることをカラスは百も承知なようでした。進む間に何度かカラスと目が合いました。カラスは何らかの思惑があるのかのようにピョンピョン跳ね歩き、急にスーっと飛んではわたしとの?距離を縮めたり、少し止まって休んだりしていて、ずっとわたしの視界のなかでピョンコピョンコしているので、もしかしたら、わたしについて来ているのか?と、少し不安に感じていました。

そんなことを思っていた矢先のこと、そのカラスを見続けて約200〜300mを過ぎた辺りで、カラスは急に高い屋根の上から歩道に向かって急降下をしてきたのです。何だ、何だ、と思っている内に、カラスの少し前をちらほらと行く歩行者の中から、迷いなくある一人の男性をめがけて背後から近づくと、その男性の頭上50〜60cmくらいの高さまで急降下をしたかと思うと、カラスが口にくわえていた何かを その男性の頭上でパッと落下させて、しれっと1〜2m先の曲がり角を右に急カーブして飛んで逃げて行ってしまったのです。

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(画像:8時だョ!全員集合 ドリフ合唱団 より)

カラスが口にくわえていた物は石か虫か…?大きめの栗の実くらいの大きさの物でした。遠目に見た色と形から虫なら立派なゴキちゃんかカブトムシのような感じでした。が やはり、何かの石か実だったのかも知れません。

もしも、その男性が立ち止まっていたならば それは確実に頭に当たっていたと思います。わたしとしては正直なところ その展開の方が見たかったのですが …その男性は歩いていたのでカラスの落とした何かが男性の頭へ落ちるまでの落下速度と距離との間に誤差が生じてしまい男性の背中のほんの僅か後ろに落下し、残念?なことに その何かは結局当たらず終いでした。

当の男性はそんな事には全く気づく様子もなく 自分の行く道を歩いて行きました。カラスは一度だけチラと振り返りそんな男性の様子を見て飛び去って行きましたが カラスの何とも無念そうだったことか。飛んで行くカラスの後ろ髪がどこまでも長く引かれているように感じました。わたしはそんな様子を目の当たりにして このカラスはわざわざこの男性のために、さっきから可笑しな行動をとっていたのかと思うと、カラスが落とした物が何だったのかを戻って確かめたいという好奇心に駆られましたが諸々の都合でそれは叶いませんでした。

その男性は眼鏡をかけた若者で、ややぽっちゃりとした優しく穏やかそうな感じの人でした。決して誰か(カラス)に恨まれそうな感じの人ではありませんでしたが、カラスの方では顔なじみのように感じました(笑)。カラスの一連の奇妙な行動は恨みや憎しみというよりも 可愛げのあるお茶目な悪戯のように感じられたので、もしかしたら以前この男性に何かしらの恩を受けたカラスが自分の大切な宝物を落として渡そうとしたのだろうか?とも思いました。良いように考えればあの男性への「カラスの恩返し」?かもしれないとも思いましたが、、、何とも不思議で愉快な出来事でした。

カラスが落とした物は何だったのでしょう?
あの男性とカラスの関係は何なのでしょう?
なんのつもりでカラスはそんな事をしたのでしょうか?
あのカラスはまたあの場所であの男性を待ち いつか目的を果たすのでしょうかね?
ねえ、カラスさん?なぜですか?

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(画像:8時だョ!全員集合 ドリフ合唱団 より)

あんだって?そんなの、カラスの勝手でしょう〜♪

カアー、カアー、(サンハイ)
カラスなぜ鳴くの? カラスの勝手でしょう〜 ♪

それからわたしは…
あの場所を通る時にはあのカラスがまた居やしないかといつもカラスの姿を探してしまうのでした。

このドリフのカラスの人形、懐かしいなぁ。